“コンコン”
「・・?」
「あ、はーい!」
この部屋にノックがされたのは、
俺がここに来てから初めてだった。
こんな辺鄙な場所に一体誰が・・?
“ガチャリ”
・・・!!!?
綾瀬さんが開けた奥、立っていた人物を見て無意識に立ち上がった。
「あぁ平松さん!」
「ヒカリちゃん。お久しぶりです。」
「どうしたんですかわざわざ??」
「いえ、いつものようにメールで送ろうかと思ったのですが、
ご挨拶も兼ねて今回は直接持ってきました。」
「・・ひょっとして新しい事件ですか?」
「はい。新入り君もこの場所について理解が深まった所でしょうから。」
「はい!引き継ぎはバッチリです!!」
「頼もしいですね。
ヒデ君は今いますか?」
「あ、今日は病院で・・。」
「そうですか・・・久し振りに顔見たかったですがまた改めましょう。
ではヒカリちゃん。
お身体に気をつけて、
元気な赤ちゃん産んでくださいね。」
「ありがとうございます!!」
「新入り君。」
「・・・はい。」
「期待してますよ。」
変わらず柔らかい笑顔を浮かべた平松刑事部長が風のように去って行った。
綾瀬さんが受け取った封筒。
あの中身が・・・
捜査6課の人間となった俺にとって、
初めてのヤマという事か・・・・。



