「不服はありますか?」
「・・・いえ・・ありません・・。」
“YES”と答える事、
それは即ちこの警視庁を去る事。
その名を聞けば誰もが震え上がる奥村監察管理官が直々に出した辞令、
俺には受け入れるという選択肢しか無かった。
「多村。」
「はっ!」
「先に戻って今の決定事項を皆にお伝えください。
それから神野君のデスクは今日中に片付けておくように。
・・そうですね、
また近いうちに機動捜査隊から誰か優秀な人材を引っ張ってきましょう。
多村課長、人選は君に一任します。」
「分かりました。」
「・・・・・・・・・・。」
135°から180°に戻った狸が俺の横に立つ。
「神野・・・広報部へ行っても・・
・・プッ・・しっかりと・・・
我々警視庁をPRしてくれよ?」
笑いを必死に堪えた表情を作りながら、最後に肩をポンと叩いて部屋を出て行った。



