Spring -盗撮-



―――――― 


廊下の先、

俺のような一刑事が滅多に入ることを許されない、

平松刑事部長の部屋へと久し振りに足を踏み入れる。


ぎゅんぎゅんに詰めれば25人はここで仕事が出来るだろうと思われる広大な部屋の奥、

“よっこいしょ”と椅子に座った平松刑事部長の前に立った。



「さてと・・この紙に書かれている内容をお伝えする前に、

最後に私からもう1度だけ質問します。」


「はい。」


「丸腰の柏原に向けて拳銃を発砲しようとしたのは本当ですか?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・
いえ、そのような事はしていません。」

「てめぇ往生際が悪いぞ!?」



「多村・・大きい声出すな。
びっくりしましたよ。」

「・・申し訳ございません・・。」



いつものように柔らかい笑顔を浮かべながらも、

このお方の前に立つと、
どうしても背筋を正さずにはいられない。


それでも・・・・・
俺は認めるわけにはいかない・・。