“ガチャリ”


部屋の扉が開けられ、
入ってきた人物を見た瞬間、

多村課長は俺の胸ぐらから手を離す。


相変わらず狸は顔色を変えるのが巧い。

すぐにその人物へ腰を45°折り曲げた。


「・・・・・・・・・・。」


45°・・までとは言わないが、
俺も頭を下げる。



「久し振りですね神野君。」


「平松刑事部長、この度はご迷惑をお掛けして誠に申し訳ございませんでした。」


「うん。じゃあ監察から送られてきた君の処遇を伝えるので私の部屋まで来てください。」


「はい。」






「多村。」


「はっ!」


「君も同席したまえ。」


「分かりました。」