「神野君、少しお待ち下さい。」


「・・・・?」


「・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・。」


「監査は終わりましたので、今から私が言う事は“公務外”と捉えて下さい。」


「・・・・・・・・・・。」


「・・私には今年大学生になった娘がいます。

ここ数週間、
本人にはかなり煙たがられましたが・・

毎朝大学まで車で送り、授業が終わる時間に合わせて迎えに行っていました。」


「・・・・・・・。」


「仮に柏原を逮捕・起訴したとしても、

たった数年でまた彼はシャバに戻る事になったでしょう。」


「・・・・・・・・・。」




「・・・・67.4%・・・。
性犯罪者が再び罪を犯す可能性です。」


「・・・・・・・・・・・。」


「同じ警察官としてでは無く、年頃の娘を持つ1人の父親として言います。

・・・ありがとう。」



「・・・・・・・・失礼します。」






第1章 完