蒼の花と荒れる野獣Ⅱ


そんなわかりきった話をしないでほしい。

「あたしはここにきた時点であたしの命が簡単になくなるかもしれないことだって、簡単に殺せる道具を持った人が大勢いることだって承知済みなの」

ママはそれをとても不安がっていたけれど。

“ 仁がいる ”という強い味方を持っていたあたしはママとの論争に勝ったのだ。

イギリスだってそんなに平和じゃない。

痴漢だって、窃盗だって、たくさんある。


だから、あたしが聞きたいのはそういうことではないのだ。


「それでも貴方の隣にいたいと思ったの」



重たいかもしれない。


それでも、あたしは至って真面目で真剣であることは伝えたかった。