蒼の花と荒れる野獣Ⅱ



『それに外に出たら何が起こるかわかんねえんだ。連れ去られる可能性だってあんだよ。』


それこそがみんなの邪魔になると思った。


迷惑をかける原因になると思った。


だから、あたしは、綾の選択に従ったのであって。


決して仁が心配じゃなかったわけではないのだ。


「仁のことなんて聞いてないわ!あたしは綾の選択が正しいと思って…!」



「結局お前らは、全員綾側に行くんだな」



さっきから仁の言っていることがずっと分かっていなかった。


今の仁は冷静じゃないから、分かる必要もないと思っていた。


だけれど、今。



知る必要があるのだと思い知らされた。