『それに外に出たら何が起こるかわかんねえんだ。連れ去られる可能性だってあんだよ。』
それこそがみんなの邪魔になると思った。
迷惑をかける原因になると思った。
だから、あたしは、綾の選択に従ったのであって。
決して仁が心配じゃなかったわけではないのだ。
「仁のことなんて聞いてないわ!あたしは綾の選択が正しいと思って…!」
「結局お前らは、全員綾側に行くんだな」
さっきから仁の言っていることがずっと分かっていなかった。
今の仁は冷静じゃないから、分かる必要もないと思っていた。
だけれど、今。
知る必要があるのだと思い知らされた。



