「…あたしを、そんなに信用出来ないの?」


「そういうことを言ってんじゃねえ。ただ、仁がいなくなったこの状況でお前が連れ去られると、獅獣に大きなダメージが出る」

あたしがそれほど大きな存在だと言いたいのだろうか。

「そんなわけ」


「ある。それに外に出たら何が起こるかわかんねえんだ。連れ去られる可能性だってあんだよ。だから、お前を今外に出すわけには行かねえんだ」


そう言われてしまっては、もう反論もできなかった。


「…必ず、見つけ出して」


だからあたしは祈るしかない。


「約束する」


あたしの仲間が仁と千夏ちゃんを見つけて。



無事にここに戻って来られることを。