「…全員、中に入れ。話はそれからだ」


そうやって綾はその場にいたあたし達全員を倉庫の広場に集合させた。


今日集まった人数は全体の5分の1ほど。


「他にいなくなった人間はいるか?」

彼らにそう聞いたところでもともといたか居なかったかも分からない。


「…ひとまず仁と千夏を探すぞ」


翔と相談しながら綾が人を振り分け、全員集合を促す。


同じように外に出ていた悠人もいつのまにか消え、気がつけば仁と千夏ちゃんの行く想定ルートを割り出していた。


捜さなければ。

みんなが仁と千夏ちゃんを捜している。


あたしも______。


「和佳菜、お前はここにいろ」


立ち上がろうとしたあたしに綾は静かにそういった。


「どうして?あたしだってここの仲間よ。あたしだってみんなと一緒に捜したい」


「今お前がどっかに行ったら、お前を護れる人間がいない。みんな仁と千夏のことで精一杯なんだ」


「あたしは守ってもらっていなければ外にさえ出られないというの?」


綾が途端に黙った。


何も、何も言わなくなった。