「えー、ぼくまだここに居たいんだけど」

「だめよ。絶対したっぱくんたちが怖がる」

したっぱの子達がなにやら、不安げにこちらを見ている。

やっぱり危ない人だと思われているのだろう。

あたしだってまだ彼が危険人物じゃなくなったという認識はしていない。

「えーそんなあ」


「なんだ、来客か?」



その時珍しく階段を降りてきた人物に、あたしも南も驚いて固まった。


「…なんだよ。懐かしい顔じゃん」



「…なんだ、悠人か。副総長サマに会うつもりだったんだけど、君にも会いたかったから、ちょうどよかったかな」


その相手ににこりと笑った南はさっきより若干砕けている。


「悠人、相手よろしく」


降りてきたのは、コンピューターの天才プログラマー、悠人。

まだまだあたしを許せないらしい、少し幼い優しい子だ。


「はっ?お前、俺置いて逃げる気かよ」


「違うの。あたしはもともと仁に会いにいくつもりだったんだから」


そういうと、彼らを避けて奥の部屋へと駆け込んだ。