ハッとする。
間違えた。
違う、今はぼうっと彼女の本性を考えている時間じゃない。
「何もないよ。ただ少し寝不足だったから、ぼんやりしてしまっただけ」
小さく笑って、彼女に平気な顔をしてみせる。
そうよ、目の前に彼女がいるじゃない。
あたしが今何をすべきかなんて分かっている。
彼女の正体を暴くこと。
特技が駆け引きのあたしを騙そうだなんて思わないで。
「そう?ならいいのだけど」
彼女と “良い関係 ”を築くためにも彼女のことはよく知るべきだ。
「ねえ、色んなことを話そうよ」
あたしだって話せることは、話すから。
明確なボーダーラインさえ跨がなければいくらだって教えてあげるから。
さあ、貴女の心を暴きましょ?