彼女はとても美しい人だった。
誰もを魅了してしまう程、美しい人だった。
だから、あるひとには妬まれ。
あるひとたちには愛され。
あるひとからは護られた。
だけど彼女がそこまでして他人に興味を持たれる人物であったのは、ただ単に美しかったからではない。
彼女の持つ、誰にも負けない強さが所以だった。
色んな人が色んな表現を使って、彼女を褒める。
だけど、彼らはその花言葉を知った途端、口を揃えるのだ。
「彼女はニゲラのようなヒトです」
ニゲラの花言葉をご存知だろうか。
【本当の私】
蒼いニゲラは、今日も鉢の中で咲いている。
それはそれは美しく。
fin.