帰り道、2人で手を繋いで歩いた。


「夕飯何がいい?」


「そうだなあ。カレーがいいな」


「いいわね、カレー!決まり」


「作れるのか?」


「提案しておいてなによ」


「いや、なんでも出来るんだなーって思っただけ」


「別に下手じゃないのよ。しないだけで」



みんなに手伝ってもらおう!


なんて元気良く言えば、彼も笑って。


俺も手伝うなんて言い出す。


それこそ、出来るの?なんて聞けば。


できるできる、生返事が返ってきた。



「ねえ、仁」


「ん?」


「いつまでも一緒にいてね」



そう言って見上げると、キスが降ってきた。



「当たり前だろ」


そして、笑った。





「ねえね、キスしようよ」


「今したよ」


「もっかい」



そうねだると、彼は困ったように笑ってから。



夕焼けに照らされて、もう一回キスをしてくれた。



そして笑い合ったこの日の空は。



紅くてとても美しかった。