「そういえば、ディビッドはどうなったの?」
涙も収まった頃、疑問に思っていたことを口にすると。
「ああ、あれは12代目の皆様に仕留めてもらった」
「琢磨たちに?」
「そう。連携プレーが上手すぎて、本当に数年間会ってなかったのが嘘だと思えた」
「やっぱり琢磨たちは最強のオジサンだねえ」
そこでふ、と思い出したことがある。
「ディビッドに見せたいものがあったの」
「なに?」
「これ」
そう言って取り出したのはスマートフォン。
そして写真のアプリを開いて。
「…これは?」
「マークのお葬式に行った時に、2人の憩いの場だったsugarって場所に立ち寄ったの。その時の写真」
「これってさ、訳すと…」
「あ、仁もわかるの?」
「英語は得意なんで」
「…多分、あたしが思うにこの字マークの字だと思うんだよね」
「てことは、…相手は」
「うん、そう」
ディビッドだと、思うんだよね。
「刑務所に送るのはアリなんじゃね??」
「印刷してってこと?」
「そ」
「見たらなんていうかな?」
「後悔はすると思う」
「それは言葉じゃないんだよなあ」
「…まあ、そうだけど」
仁が少し不貞腐れたから。
「でも、後悔して欲しいな」
あたしは微笑んだ。
《親愛なる相棒へ。君のことを誰よりも理解しているのは僕であり、僕のことを誰よりも理解しているのも君だと思う。これからもよろしく》