仁の力強い声が、あたしの身体にこだます。
「…なあに言ってんの?これで?どうやって?」
「コイツのことは絶対護る」
「キミが守ったとして、多分和佳菜チャンも一緒に撃ち抜くよ?」
「撃ちたきゃ撃てばいい」
「…仁っ」
そんなの危ないって。
「黙って聞いてろ」
あたしに銃口が見えないように仁が大きな身体で真田から隠した。
「和佳菜を撃ちたいんだろ?なら撃ってみろ」
「んじゃ、遠慮なく」
パァンと銃声がこの部屋にこだました。
仁が、バタンと目の前で崩れ落ちる。
「今だ!捕らえろ!」
同時に誰かの声が聞こえたのも聞こえた。
ダダダと、人が雪崩れ込むように押し込まれてくる。
どうして?どういうこと?
動かない仁なんて見向きもせずに、誰か男のひとが。
「真田昌葉、銃刀法違反現行犯で逮捕する」
と叫んだ。