「ルカの隠し子…貴方には色々とあったのでしょうね。本妻の息子じゃないからきっと肩身が狭かったのでしょう」


あたしだって、照史や舞花、…おばさんを見てきたから知っている。


自由にやってきた長子が優遇され、自分達は所詮分家にしかなれない事実を受け止めたくはなかったのだろう。


まあ、だからと言って、あたしをいじめていい理由にはならないのだが、同情くらいはしてあげてもいい。


「肩身が狭いとか、そういうレベルじゃない」


急に立って、あたしに拳銃を突きつけた。


「今までずっと、俺には居場所が無かった。不貞で産まれた息子を、父様は一度として認めてくれなかった」


そのまま詰め寄る。


ゆっくり、ゆっくり。


「強かったら認めてもらえるかと思って、武術を磨いた。大抵の人間には勝てた。でもあのひとには本妻の娘を可愛がった」


仁が護るようにぎゅうと抱きしめてくれる。


それが近づく度に強くなる。


「勉学が出来たらいいのかと思った。一生懸命に励んだよ。進学校に進んで、成績で一番になった。周りには沢山の褒められた。だけど、父様だけは褒めてくださらなかった」


ああ、似ているのね。


あたしとすごく似ている。



「「本当に褒めて欲しい人には褒めてもらえない」」



あたしと、サナダの声が見事に重なって、サナダはえ?と初めて、あたしの顔を見た。