生憎、こういう性格は直らないもので。


「まあ、別にいーけど。なあ、和佳菜」



「なに?」


さっきと比べて明らかに深刻な顔をするから、そっと俯いた彼の顔を覗きこむ。



「あいつがお前のことをよく思ってないのはわかる。お前もそうだってことも。だけど、俺は…」




「総長さん。16代目獅獣の総長さん」



「…なんだよ」



「貴方は前だけ見て突っ走っていればいいの。なにも不安に思わなくていいの」


勝手に帰ってきたのは、あたしだ。


連絡も取らずに、いきなり帰ってきたあたしをみんなが歓迎してくれるとは、毛頭思っているいなかった。


女がいたのは計算外だったけれども。



寄せてもらう身の人間が、不満を思うはずがない。


「彼女とは上手くやるわ。仲良くなれるかはわからないけれども、悪くない関係は築いてみせる」


「あいつ、頑固だぞ?一度決めたことは誰が言っても変えないし、時々なに考えてるかわかんねえし」




「あたしを、誰だと思っているの?」