蒼の花と荒れる野獣Ⅱ




「それはっ…」


「貴方がどうしてこんなに焦っているのか、あたしは知っているのよ」


それは今、バレてはいけないものだから。


「お前っ…!」


この会話が今、外に漏れてはいけないものだからなのだ。


というのは、そう。


「貴方がマークを殺す証拠となった、最後の会話も記録されているの」


マークも別に頭が悪いわけではない。


目の前のこの人…デイビッドが賢すぎただけなのだ。


「…やめろっ!」


「聴きたい?」


「やめてくれっ…!」


「なんで?…貴方には、これくらいが1番いいわ」


彼の思考を崩すにはこの方法しかない。


弱みを握っていることを先に提示しなければ勝てない。


…分かってる。


これが正攻法では無いことを。


これが、正しい選択では無いことを。


でも、あたしの目的は。




…ごめんね。




この人に償わせることだから。



「…お願いだ、やめてくれ」


「じゃあ、これからの質問には正直に答えてくれる?」


さあ、罪を。




認めて。






「…僕はずっと、正直に答えてるよ」


「あらあ、嘘つきもほどほどにしたら?…貴方はひとつだけ、あたしに嘘をついたでしょう?」


「……え」


「なんでわかった?って顔してる。本当に貴方は危機の時に顔にでるのね」


普段は能面みたいな顔をしているのに。


よく表情が変わることだ。


まさか、こんなところであたしの賭けが当たるなんて、本当に驚きしかないわ。


「…貴方はあたしのことなんか好きじゃない」


「…っ、え」


「寧ろ嫌い」


「…」



「貴方が本当に手に入れたかったのは、…マークでしょう」