「和佳菜さーん。これってこっちでいいですか？」
「ええ、そこに置いておいて。…というか、大丈夫なの、陽太。まだ1週間くらいしか経ってないけど」
「1週間も有れば余裕ですよ。まじで」
「まあ、無理はしないでね」
「信用してないんだから」
「信用はいつもしているけど、心配なの」
ニコッと、陽太は太陽みたいに笑うけど、あたしの不安は増すばかり。
彼は一度犯人と遭っている。
どれだけ危険な人物かよく分かっている分、あたしを護りたいと思ってくれているみたいだけど。
気を張りすぎていないか。
あたしは不安でしょうがなかった。
「だいじょーぶですって！和佳菜さんは、ただ大事な役目のことだけ考えててください」
「…ありがとう、陽太」
貴方みたいな優しい人に会えて、あたしは本当に幸せものね。
「その言葉は全部終わってからにしてください」
「そうね…」
「和佳菜さん！」
振り返ると、三郷が後ろで手を振っていた。
「もういくね。本当に、無理はしないように！」
「はい、ありがとうございます」
陽太に手を振って、三郷の元に向かった。
あの日から一週間たった。
今日は、パーティーの日だ。
