彼らは何がなんでもあたしを犯罪者に仕立て上げたかったらしい。


色々な疑いをかけられた。


マリファナの生産の疑い、違法薬物所持の疑い。


殺人の話も持ち上がった。


でも、あたしは何にもしていなかったから、当然証拠なんか出てこない。


第一、蓮を殺したのはあの二人の警官だしね。


「ある日の、取り調べ。何もしていないはずのあたしに提示されたのは、一枚の写真だった。あたしが薬物を摂っているところを隠し撮りしたような写真だった。そんなことはしていない。…明らかな、偽造だった」


悲しさも怒りも全部なくなった。


あるのは虚無感だけ。


疲れた、それでも。



…マークのことは、話せなかった。



「一枚の写真を証拠として、彼らはあたしを捌こうとした。…でも、そこに待ったがかかった」


それをかけたのは。


マークじゃないよ。



あたしもたくさん期待して、その時も期待したけれど。




マークじゃない。




「待ったをかけたのは、祖父だった」