出来るなら、4人がけの席がいいな。


3人がけの席は見つける方が難しいし、2人がけの席に椅子を足すのも手だけど、狭くてみんな使いづらいはず。


だから、4人がけの席を探しているのだけど、今は午後1時。


まだまだお昼の感覚が抜けない時間帯だから、なかなか見つからない。


「ねえねえ、お姉ちゃん。何してるのー?」


うわあ、まずい。


いかにも派手な出で立ちの男3人組があたしを囲むようにして、立っていた。



「…あたし、急いでいるんですけど」


「ええー?俺らと一緒に遊ばない?」


「遊ばないです」


そんなこと言わないでさあ。


男の1人がグイグイ手を引く。


ああ、うるさい。


貴方達邪魔なの。


あたしは席を探すっていう役目があるのだから、遊ばないの。


こんな周囲もうるさい時に限って、余計に面倒ごとに遭う。


「離して」


「いーじゃん」



「本当に離して」



「だから」




「おま」


「あんたら他人の話もまともに聴けないの?」