翌日。
時間がないあたしには話さなければいけないことがあった。
「どーしたの。みんな集めて、なんて言い出して。それも昼飯食べねえし」
綾がキョトンとしたままあたしを見た。
「昨日のお昼のことはごめんなさい。気持ちを整理したくて」
「なになに?なんかあったの?」
翔もこちらを見つめるけど、あたしは僅かに微笑んだ。
それからきゅっ、と口角を下げた。
「それもあるのだけど、順を追って説明したいの。まず、あたしの過去のことから言わないとわからないと思うから。みんなにちゃんと話して無かったなと思って」
「過去?…和佳菜の人生全部ってこと?」
「私の人生全部話したら日が暮れてしまうから、掻い摘んで、簡単に」
「それはありがたいけど」
つまらなそうにそっぽを向いた悠人に。
みんなに、あたしは聞いた。
「…みんなは、長瀬 蓮を知っている?」
「勿論!俺らの大先輩だぜ?」
すぐに反応したのは翔。
「そうね。知らない人なんていないわね」
「え、でもなんで和佳菜が知ってんの?」
翔も綾も戸惑ったようにこちらを見た。
言わずもがな、悠人も。
「…蓮は、あたしのSP、護衛よ。そして」
もう戻れない。
みんながあたしを罵るかもしれない。
それでも、何を賭けても絶対に。
貴方の反応を知りたかったの。



