蒼の花と荒れる野獣Ⅱ



仁が立ち上がるのをぼんやりと見つめた。


「ひとまず、変わらずに警戒して動くことを下っぱに伝えておこう。白い仮面をした悪魔のことは引き続き、それぞれで調べて欲しい。もう、朝になる、飯当番は…」


「今週は俺!何がいい?」


「翔なら、野菜炒めが一番美味い」


「え、そうなの?」


「うちの料理人だからな」


「綾は、飯作るのダルいから、俺を飯担当にしたいだけだろ」


「…バレた?」


「バレた?じゃないし!ねえ、ちょっと!逃げんな」


バタバタも2人が部屋を出て行くのを見て、くすりと笑ってしまった。


「姫さまはご機嫌がよろしいようで」


振り向くと、パソコンをカタカタと叩きながら、仏頂面をした悠人がいた。


「その呼び名は嫌い。あたしは、姫じゃないわ、和佳菜よ」


「はいはい、わかったって」


面倒臭そうにひらひらと手を振る悠人を見て、ふと思い出した。


「ねえ、そういえば。悠人にお願いしたいことがあるの」