「改めてまして、仁の従姉の東屋 純夏です。ずっと仁から聞いてたの!会えてよかった」


大きな瞳に高い鼻。


誰もが見惚れる綺麗な顔。


この人なら日本だけではなくアメリカでも綺麗と賞賛されるだろう。


そんな柔らかい雰囲気を持った人が、机を間に挟んで目の前で笑った。


隣には当麻さんがニコニコ笑っている。


「それは嬉しいです。水島 和佳菜です。よろしくお願いします」


「和佳菜ちゃんっていうんだね!仁が初恋の子、初恋の子って言うから、名前が分からなかったの。綺麗な名前だねえ」


「す、純夏!俺のこと勝手にバラしてんじゃねえよ!」


慌てた仁が、あたしの耳を塞ぐけれど、後の祭りだ。


「初恋だったの?仁」


隣の仁に声をかけるけれど、真っ赤で何も答えてくれない。


代わりに。


「…純夏!」


と、大きな声で怒るけれど。


「えー?なんのこと?」


キャハハ、と笑う純夏さん。


これはこれは…確信犯だ。


「ほんと、かわいいなあ」


「ありがとうございます」


「てか、敬語なんて使わないで!今いくつなの?」


「17歳です」


「え、17なの?随分と大人っぽいね」


「よく言われますけど、そんなに大人びてますかね?」


自分のことって結構分からなかったりする。


アメリカでマークの隣にいた時も、よく和佳菜は大学生か、社会人に見えるって言われていたけれど、多くの人からはそう見られるらしい。


当時あたしは年齢だけを言えば中学生。


どう考えても大学生も社会人も難しいような気がするけど、周囲はよくそう言っていた。


「うん!綺麗な子って感じ!純夏はもう24だから、…え、7歳も離れてるの?純夏おばさんじゃん」


「あたしからしたら、もう24歳なんですか?って思ってます。あたしもっと若いと思ってました」


まだ未成年に見えたのだけど、確かにそのくらいの歳ならまだ仕事で上の立場になることは難しそうだ。


「えー!お世辞がじょーずなんだから。ほんと、いい子だねえ。和佳菜ちゃんが年上だったら呼び捨てお願いしやすかったのにな」


そう純夏さんは困った風に笑うと。


「ま、どっちにしても敬語使われるとお仕事モードに入っちゃうから、敬語はやめてほしいな」


と言った。