「…おはよう」


地上1階。


みんなの生活スペースに登った第一声は。



「わっかなあああああ」




見事に掻き消された。




「…え、…ジュリ、じゃなくて……ええと、夢?」


重だるい身体に思い切り抱きついてきた人、一名。


受け止めるのもやっと。


「そうよ!夢!和佳菜あ、大丈夫だった?本当に!無理なんかしていない?」


「…していないけど」


なんの無理かは、敢えて追求してないで貰わさせていただくことにして。


一体どういう風の吹き回しだろうか。


この子、千夏ちゃんが来てから暫く来ていなかったって言っていたのに。


「…夢、どうしたの?貴女、あまりこちらには来ていないって」


「和佳菜が戻ってくるって聞いたから帰ってきたに決まってるじゃない!」


…も、戻ってくる?


どういうこと?


どこに?なぜ?


あたしが、ってことは理解したけれど、そこからが繋がらない。


意味が、本当にわからない。


「おう、和佳菜。起きたのか」


頭の中が大混乱している中、次に現れたのはこの人の彼氏だった。