強い光が窓から差し込んで。
「…んっ…」
目をそっと開けた。
なんでここにあかりが来ているのだろう。
実質地下2階であるはずだ。
そう思って見上げると、右奥に天窓が見えた。
知らなかった。
あんなところから、光が出ているのね。
隣を見れば、仁はまだ寝ていて。
顔だけを見れば少年のよう。
あたしよりひとつ歳上なのに、暴れると本当に手がつけられないんだから。
…なんか、身内にも似たような人がいたような。
頭を振って、その存在を頭から追い出すと、そっと改めて仁を見つめる。
…本当に、可愛い。
頬にそっとキスをするとまだ起きる様子のない仁の腕から抜け出した。
なんだか体が重いなあ、なんて。
自らをそっと見ると。
「うわ……」
目を覆いたくなる。
何も着ていないあたし。
察していただけると大変ありがたいけれども。
…まあ、そういうことなのである。
まだまだ身体は重くて、仁の肌の感覚も全て、…憶えてはいるのだけど。
…だめだ。
想像し出すと、赤面してしまう。
頬の暑さを両手で押さえて確認してから、はあと柄にもなくため息が漏れた。
「…とにかく、着替えなければいけないわ」
ぼうっとしている暇はない。
こんな姿を誰かに見られたら、それこそ赤面だけでは済まされない。
床に散らばっていた衣服を身につけて。
天窓のすぐ下にある机の上のペンとメモを拝借して。
“ご飯を食べてきます”
日本語はまだまだ不得手だ。
もっと綺麗に書けるように練習しなければ。
赤ちゃんみたいな置き手紙にそっと笑った。