「本当に?」
じっと仁の目を見つめる。
「本当に」
彼もあたしを見つめる。
「嘘って言わないわよね?今更」
「言わねえよ。いい加減疑うのよして。俺どんだけ待ったと思ってんの?」
「どれだけ待ったの?」
「…1年は余裕で待ってるだろ」
いじけたように目を逸らした仁に、ふは、と笑ってしまった。
「あたしの勝ち」
「睨めっこかよ」
「そーよ!勝者には何かプレゼントが欲しいわ」
「…いつからそんな話になったんだよ」
仁は呆れたようにため息をついていたけれど、獰猛なあの目さえ隠れて仕舞えば、あたしの役目は終了だ。
たっぷりあたしの遊びに付き合ってもらおうじゃない。
「何がいいかしら?そうねえ」
「なんだよ。ネックレスか?ピアスか?」
______そんな安っぽいものはほしくない。
いつだって、あたしが望むものは…。
「ねえ、仁。キスして」