葬式を終え、土葬が一般的であるアメリカではマークは土の中で眠る。
さよなら、愛しかったひと。
「瑞樹、帰りましょう?」
そう声をかけて、あたしはすぐにスティーブン家から立ち去ろうとした。
長居はするつもりはない。
マークのいないここがあたしの居場所ではないことくらいはわかっているから。
「やっぱり待って」
が、立ち止まった。
「なんだよ」
明らかに不機嫌になった瑞樹にずっと行きたかった場所の名を告げた。
「sugarに行きたいの」
「sugar…?お前、いつそれを…」
「ああ、言うことを忘れていたわ。佐々木さんから2人が捜している人のことを聴いたの。sugarに言ったら思い出すかもしれないと思って」
2人が捜している人はその中にいたのだ。
今はもうマークに聞くこともできないから、あたしは最後の砦なのだ。
「分かった」
そう言った瑞樹が誰かに話しかけようとした時。
[sugarに行かれるのですか?]
懐かしい顔が声をかけてきた。



