「…何故、そう言い切れるの?」
「あの人はほんと、器用じゃないから。和佳菜並にね」
「なにそれ」
「会った時に全部聞くんでしょ。その時に聞いたらいいよ。離れるなら好きなことを聞きなよ」
「そうするつもりよ」
この時のあたしは分かっていなかったの。
瑞樹の言葉の意味も、理由も。
何一つ想像していなかったの。
あんなことになるなら、あたしは。
きっと貴方に勇気を出して聞いていたのでしょうね。
マークがこの日、姿を現すことはなかった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…