今度はきちんと分かった。
「…和佳菜?大丈夫か!?まさか、林と会ったのがそんなに」
「照史は関係ないわ」
貴方が焦っている理由もきちんと分かっている。
「じゃあ、なんで泣いて…」
「嬉しいの」
「…え」
「こんなに涙が出る日なんてあったかしら?」
拭っても拭っても、全く止まる気配はなくて。
もう止めることは難しいかな、なんて。
そんなことを思ったら笑えてきてしまった。
あたしが今まで泣いてたのは、悲しかったり辛かったりしたからで。
苦しくて息ができない辛さで、堪らなかったけれどもね。
だけど、今、あたしの涙は全く止まっていないけれども、少しも虚しくなんてないの。
「ねえ、仁。不思議なの。鼻が詰まって息ができないのに幸せなの」
暖かくて、優しくて、愛しい。
ねえ、これが。
心が自由になったって、そういうことなのね。
「和佳菜…」
「ねえ、仁。誰も自らの手で守ってなんてくれなかったの。あたしを1人にするの」
あたしの大切な人はみんなあたしの側にいてくれなかった。
あたしには代わりをつけて、貴方は優雅にお茶会ですって?
年頃の若い女性もいて、あたしがどれだけ我慢していたか、なんてきっとマークは知らないでしょう。
「大丈夫、ひとりになんてしないから」
とんとん、と優しく背中を撫でてくれる。
たったこれだけで、異常なくらい心が満たされる。
仁ってすごい。
まるで魔法使いみたいだ。
「泊まってくれるか?」
その問いかけには頷く以外に選択肢なんてなかった。



