そういえば、なにも聴いていなかった。
隣で綾が、バカそれお前が言うなよ、となにやらささやいていたけれど、そんなもの気にしない。
「…なにも、聴いていないの。教えて、陽太」
「え、でも」
陽太が凄く戸惑っているのが伝わる。
ごめんね、陽太。
だけど、獅獣の過去なんかよりこちらの方が断然興味がある。
「あたし、凄く興味があるの。お願い陽太」
「やめとけ和佳菜。仁から聞けよ」
「りょ、綾さん…」
「何よ、綾。獅獣の過去をベラベラ喋ろうとした貴方が言えるセリフじゃないでしょう」
「うるせえ。静かにしろ」
しんと、静まり返る倉庫。
やはり、綾がどれだけみんなのことを考えて行動しても、ここの王様は。
仁なんだ……_____。



