「青山の頭に…?」


なんでまた。


そんな声に、あたしはふふっと笑った。


「…復讐?」



青山 葏忢。


青山組の頭。


仁が欲しくて欲しくてたまらない、若き頭。


人の人生を狂わせた責任はきっちりと取ってもらうわよ。







そうしてあたしは。


ある作戦を練ったのち。


佐々木さんにお店を2日休んでもらって、大阪に辿り着いたのだった。





「…和佳菜様。この作戦で本当に日帰りにするんですか?あいつ相手に家に帰してもらえるなんて思えませんが」


「大丈夫よ?あたし、銀深会の頭様との時よりもキチンと喋る自信があるわ」


「そんなことを言ったって。舐めてかかると痛い目に遭いますよ?」


「大丈夫。舐めてはいないから。だから、あたしはちゃんと、カードを持ってきているのよ」


相手は大人だ。


それもとても頭の切れる若干40の若い頭。


舐めてかかったら徹底的に潰される。


分かっている結末を自ら迎える人間などそうはいない。


「佐々木さん、万が一、何かあったら、その時は宜しくお願いします」


自信はある。


だけども、人生は想定通りにことが進まないようになっていることも知っている。


あたしの持っている切り札をすべて使い果たして、それでも敵わなかったなら。


「その万が一が起こらないことを願っています」


「頑張るわ」


さあ、挑みましょう。





青山の城へ。