瑞樹はその日は無事に帰ってきたけれども。


それから出て行く日が多くなった。


前からなんとなく多いとは思っていたけれども。


外泊も増え、週の半分はいないようになった。


忙しいのですよ。


大丈夫です、坊っちゃんなら。


佐々木さんはそうやって怖がるあたしを慰めるようにそばにいてくれたけれども。


あたしはいつになっても怖かった。


あの日のように帰ってこないかもしれない。


静かに眠る“貴方”のように、悲しい運命を辿るのとになるかもしれない。


誰もそんなことは言ってはいないのに、あたしは嫌な予感を拭きれず、それでも行動も出来ず。


ただ、どうしようもない日々を過ごしていた。


そんなあたしの嫌な予感は。




違った意味で的中することとなる。