「銀深会が俺らにとって不利益なことをしないように、っていう見張り番。まあ、和佳菜のことも80%くらい本気なんじゃない」


「相変わらず、しぶとい人ね」


「和佳菜への執着心は誰よりも強いと思うからね。そのつもりで会いな」


「会った後に言われても困るのだけど」


「それもそうか」


まあ、じゃあ次はってことで。


彼は笑いながらそう言った。


「さあて、話を戻すけど。俺が相模をなんで捜してるか知ってる?」


「貴方に言われていないのだから知るはずがないでしょう」


知っていたら、すごい話だ。


「実は相模、ずっと行方不明なんだ」


「…え?」


行方不明…?


「いつから?」


「多分、仁と行方不明になったあたりと重なると、思う」


「なんでそんな面倒ごとに貴方が介入しているの?」


「マーク様のご命令だからに決まってるじゃん。青山と銀深会が抗争でもしたらうちの立場が面倒になるからっていうことなんだけどね」


両方と取引をしていることはその言葉で窺えた。


「っていうことで、心あたりはない?」


「分からないわ。あたし…そんなことは聞いてない…」


はっと、して瑞樹を見上げた。


「そんなはずがないのよ。だって仁は」


だって仁は。


『千夏は家に帰した。あいつは関係ねえ』


そう、言ったから。