「ええ?もうないの?」


最近瑞樹とあたしの中で流行っているチョコレートの棒アイス。


「ないわよ。覗いてご覧なさい。あたしも食べたかったのだけど」


冷凍庫の中にアイスの姿はない。


「佐々木さん、アイスもうないのですが」


「おかしいですね。一昨日に新しく買ってきたのですが」


「まーた、瑞樹がたくさん食べたでしょ」


ゲッと案の定渋い顔をする瑞樹。


「10本入りのアイスがこんなに早く消えるなんて。あたしまだ2本しか食べていないのよ?買ってきてよ」


「んなこと言ったって俺は表だって行動できないの!」


「知っているわ!」


「知ってるなら無茶言わないでよー!」


まあまあと宥めた佐々木さんが。


「わたくしがアイスを買ってきましょう」


と言ったので。


「「だめ!」」



と、全力で阻止した。