晴れた日の昼下がり。


ここにいてすることのないあたしは退屈で退屈でしょうがない日々を送っていた。


「和佳菜。冷蔵庫からアイス取ってきてよ」


「それくらい自分でして頂戴」


「ソファからそこまで行くのが遠いの」


今日は珍しく瑞樹の仕事が夜からで、スイッチの入らない瑞樹はのんびりとマイペースだ。


店舗の奥のダイニングはリビングも兼ねていて、少し広い。


BARで比較的なんでも作ることが出来てしまうからキッチンはないけれど、冷蔵庫は何故かある。


BARに一台、ダイニングに一台。


まったく、贅沢な家だ。


瑞樹のいるソファと冷蔵庫とでは少し距離があるので、歩くのが面倒ということだろう。



冷蔵庫が比較的に近い場所で読書を楽しんでいたあたしに声をかけることが1番だと思ったらしい。


「あ、アイスない」