「佐々木さん、これは一体どういうことなんですか?」



目の前には正座をしている佐々木さん。


あたしも正座をして彼を見据えている。


「…和佳菜様、申し訳ありません」


「謝ってもらっても納得できないのですが」


そう、全く納得などできないのだ。


「佐々木さんは知っていましたよね?銀深会に瑞樹が潜入していることを」


「そうですね」


「あたしがヘマをして瑞樹の立場を危うくさせたらどうするおつもりだったのでしょうか?」


「和佳菜様ならそのようなことはしないと思いまして」


「ははっ!信用し過ぎですよ」


笑った瞬間に少しだけ佐々木さんは上体を後ろにずらした。


「それでも、多少のリスクを伴ったとしても、和佳菜様にはあの場所に行って頂く必要がありました」


「何故?」



「銀深会の若頭に会わせるためですよ。貴女の気持ちが変わらないか、確かめる為に」