翌日、目覚めた時には既にその姿はなくて。
佐々木さんから予定が急遽早まったからもう出たと伝えられた。
その人とあたしが寝ていたベッドは冷たくなっていて。
もう居なくなってからかなり経ったのだということを知っていたから、さして驚かなかった。
もし予定がなかったとしても貴方はあたしの目の前から変わらず消えただろう。
あの方の話をしたくなかったに違いなかったから。
そうして日々が過ぎて、時は10月を終え、11月に入った。
月日が流れたってあたしの過ごす日々はさして変わらない。
強いて言うなら、暖房を入れたということくらいだろうか。
そうして何も事実がわからないままに今日も一日が終わる。
そう、諦めていた時。
「和佳菜様。来客でございます」