[平気だよ。ねえ、ワカナ。今日はワカナを抱っこして寝てもいい?]


ふわふわと、やはり不安でいっぱいな貴方は。


なんだか普通ではなかった。


「いいよ」


そういえば、彼はすぐにあたしのブラウスを前を閉じて背中から包み込むようにあたしをハグした。



[このまま寝てもいい?]


やっぱり平常心じゃない。


彼がこんなに弱るとは。




“あの方”とは一体どんな人なのだろうか。





「うん。寝よう」


ベッドにそのまま横たわると、まるで出会った頃のような優しい添い寝をしてくれた。



そうして、あたしもそのまま夢の中へと落ちていったのである。




[ワカナ、ごめんね。きっと君を悲しませてしまう未来が、君を待っている]





マークが残した言葉は、あたしの耳には届かなかった。