貴方はと言えば、その話にあたしが触れた途端にとても暗い顔をして。
余裕を漂わせていた口元は、口角を下げて固めてしまって、話してくれるとはとても思えない。
だけどあたしは聞くまで寝るつもりはなかった。
もういいや、なんて絶対に思いたくない。
それだけ、あたしは悲しくて、つらくて。
貴方を思い出しては泣く日々だったのだから。
それを貴方に忘れられては困る。
貴方には反省してもらわなければいけない。
「黙っているのならいつまでもあたしも黙っている」
「……」
「貴方があたしに会いに来た以上、貴方はあたしに問いただされる覚悟があるという意味よね?」
「………」
「黙っていれば逃げられるとなんて思わないで。大丈夫。貴方の仕事まで、あたしはいくらでも待つことができるから」
あたしは学校には通っていない。
元いた学校にも、仁たちがいる学校にも行くつもりはない。
ママとはそれで話がついている。
だから、あたしにはいつまでも待つ時間を持っている。



