いやいや、そうじゃないでしょう。
あたし、もう獅獣を抜けたのよ。
ということは、千夏ちゃんのことも…仁のことも。
あたしには一切関係のない話なのだ。
あたしが気にする方が間違えている。
「にしても、南はなんでこんなことをあたしに話したんだろう」
あたしはこの話を聞く前に言っている。
『あたしはもう獅獣の人間じゃないのよ』
暗に関係ないと言っている。
それに彼はよく倉庫に行っていた人だから、あたしから聞かなくたって、あたしがいない大まかな理由くらい知っているはずなのだ。
南に今度会ったら聞いた方がいいな。
ああ、だけどそれは佐々木さんが許さないのだっけ。
マークに忠実に従う佐々木さん。
そこに、どのような上下関係があるのかはあたしには分からないけれども。
まず一人で外出することは許されないので、南と会うことは不可能だ。
あたしは瑞樹に忠告された通り、一人で出歩くことは許されていない。
昨日のようなことがまた起こるとも考えにくい。
とてもリスクがあったこの方法を南が再び使うとは到底思えない。
と、なると……。



