「どうして…」


「この世界から完璧に抜けてたなら何も言うつもりなかったけどね。佐々木さんと一緒にいるのを見ちゃったんだもん」


その人は笑う。


遭遇した時には、いつもいいことが起こらない。



「あたしはもう獅獣の人間じゃないのよ」


「でも、僕にとってはいつまでも友達だってことに変わりはないし、僕だってそんな顔される為に来たわけじゃないの」


それは誰だってそうだろう。


嫌な顔をされる為に会いに来る人などそうはいない。


「というか、あたしあんたのこと友達だとか思ったことはないわよ」


「えー!酷い!僕ずっと友達だと思ってたのに」


拗ねる彼にとにかく!と叫んだ。


「あたしはあんたと…南と、関わるつもりはないの!」


南。


度々あたしを脅かす、いつになっても危ない存在。