「これはどうしますか?」
「それは2つがいいかな」
「じゃあ、これは?」
「こっちは1つ。…ああ、その左のを1つとって」
「あ、はい」
歩いてつく、近所のスーパーで買い物中。
こんな共同作業をしたことがなかったので、なんだか新鮮だ。
昨日会ったばかりの人だというのに。
喋りやすい佐々木さんのおかげなのか、緊張することなくおはなしすることができた。
「和佳菜様。1つ、お願いをしてもよろしいでしょうか?」
買い物もひと段落つき、必要なものもだいたい買い揃えた頃。
おずおずと申し訳なさそうに切り出した佐々木さんに、あたしはなんでしょうと、聞いた。
「少しお手洗いに行きたいのですが」



