ベットに寝転がる。
ボスっと優しくシングルのベッドはあたしを受け入れてくれて、不意に泣きそうになった。
もちろんなく気はないから、唇を噛んで涙を引っ込めた。
過去になんか戻れない。
そんなことは百も承知だ。
だけれどあたしはいつまでも過去にしがみついて、許せなくて。
頭の中でならいくらだって整理はつくけど、心の中までは上手くいかないのが余計にもどかしかった。
「なんであいつが生きているの…」
苦しい、苦しい。
ナンパ男に誘われたって、あんたになんか助けを求めるつもりはなかったのに。
なんで助けに来たの。
マークも瑞樹も。
あたしには大嫌い以外に言うことなんかない。
なのにあたしは、マークに溺れて、瑞樹の優しさに浸っている。
そんな自分が一番嫌い。
苦しさからなかなか解放されなくて。



