そう。
したっぱにとって仁が頭だけど、頼れる先輩は綾であったのだ。
あたしが来る前、仁がまだ荒れていて倉庫に来なかった頃。
仁が戻ってくると信じて総長代理として、みんなをまとめ続けていた綾を、したっぱのみんなは尊敬していたはずだ。
あたしが居なくなってからの様子を伝えて欲しいと手紙をお願いしていた昌さんから、そんな話を聞いた。
叔父の琢磨を獅獣12代目の副総長の役割が終わってもなお、支え続ける昌さんにあたしまでお世話になっている。
申し訳ないとは思うけど、頼れるのが彼しかいない以上、彼を頼る以外に方法は思いつかなかった。



