「いろんな人達を撮ってきたけど、Shineの二人は一番現場の雰囲気がいいよ」

「え、そうですか?」

「ああ、なんと言っても二人の兼ね合いが面白い」

「ありがとうございます」

「俺は嬉しくないです」

カメラマンの言葉に素直にお礼を言う勇菜と微妙そうな表情をする陽人。
そんな二人の様子を周りのスタッフはクスクスと笑って見ていた。

「じゃあ一度休憩してから撮影再開しようか。
15分でいいかな」

「わかりました。
15分休憩しまーす!!」

近くにいたアシスタントの女性がスタジオ中に伝わるほど大きな声を出すとそれぞれが思い思いに動き出した。

「私カフェオレ買ってくるけど、ハルトも何かいる?」

「じゃあアイスコーヒー」

「了解。
行ってきまーす」

スタジオを出て廊下を歩き、すれ違う人に挨拶したり手を振ったりしながら撮影場所とは遠い場所にある目的の自動販売機にたどり着いた。
勇菜が好きな甘さのカフェオレはこの自動販売機にしかなく、さっそく買おうとポケットに手を入れようとしたけれどそこで勇菜はハタッと止まった。