「あの、Shineのユウナちゃんですよね?」

「はい、そうです。
初めましてですか?」

「えっと、何度かライブに行って握手もしてもらって……」

「じゃあお久しぶりですね!」

誰とでも親しい友人のように話せるのが勇菜の特技で、偶然出会ったファンの子達にもフレンドリーに話始めるとファンの子達は嬉しそうにはしゃぎだした。

「こんなところで会えるなんて嬉しいです!
あの、今日はデートですか?」

チラッと隣に立つ隆矢に視線を向けた一人が聞くと、勇菜は微かに頬を染めて頷いた。

「そうなんです。
実は初デートなんですよー」

「うわぁ!お邪魔してごめんなさい!
あ、でも出来れば記念に一緒に写真撮ってもらってもいいですか?」

「もちろんいいですよー」

隆君もこっち来てください、一緒に撮ってもらいましょう!と観覧車を背にみんなで並んで数枚写真を撮った。
ついでに勇菜のスマホでも撮ってもらって、ネットに上げるなら夜以降にとお互いに約束し、別れ際に勇菜にはライブ、隆矢には映画の主演の応援をしてもらった。

「すごいな……これが神対応ってやつ?」

「私にとっては普通の対応だけどな。
それより早く行こう!いっぱい乗りたいものがあるんだから」

腕を引っ張って急かす勇菜に隆矢は目を細めて微笑む。
その笑顔を見て勇菜は再び頬を染めて笑った。