「えー……何で知ってるのー……」

「それは、えっと、いろいろあって」 

隆矢が言葉を濁して頭を軽く掻くと真っ直ぐ見つめてきた。
けれど未だに顔を覆って俯いたままの勇菜は隆矢がそっと両手を掴んでその手を顔から離すまで気付かなかった。

「俺も……」

「え?」

「俺も好きだったんだ。
俺のことを好きになってくれるよりもずっと前から」

「うそ……」

信じられないと勇菜は小さく首を振ると、隆矢は目を細めて微笑みながらそっと抱き締めてきた。

「本当。
だから、ユウナが俺のことを好きになってくれたのに気付いてすごく嬉しかった」

「ずっと……」

「ん?」

「ずっと一緒にいたいって思ってくれてるの?
その、お付き合いしたいって……」

恥ずかしすぎて目が潤み出してきてしまうが、抱き締められていたので隆矢の胸辺りに顔を押し付けてそれを見られないように隠した。
ふっと頭に隆矢が小さく息をついた感覚がしたと思ったら次には体を少し離され、額に柔らかい物が触れた。

「出来ることなら付き合いたいし、ずっと一緒にいたいし、こんなこともしたい」

「っ……!」

キスされた!と目の前で微笑む隆矢を前に勇菜はこれ以上ないほど真っ赤になると、うぅー。と小さく唸ってギュッと隆矢に抱き付いた。