秘密にしないスキャンダル

「そう言えば、川西君からこれを勇菜にって預かったんだけど飲む?」

聞かれて差し出された物を見てみると、隆矢はお洒落な紙袋を持っていた。
受け取って中身を確認すると、そこには可愛らしい苺のラベルが貼ってある小さめの瓶が入っていた。

「わ……可愛い!
これは……イチゴジュース?」

「ロケの合間に急いで買ってきたらしいよ。
握手とサインと写真のお礼だって」

「お礼なんていいのに……でも嬉しい!
ありがとうございますって伝えてくれる?」

わかった。と微笑んだ隆矢に勇菜も微笑むと、食後に飲もうとイチゴジュースを冷蔵庫に入れて晩ご飯の準備を始めた。
たまに料理を失敗する勇菜もシチューは失敗したことはないので自信をもって食卓に出せる。
部屋中に充満するいい匂いに勇菜が鼻歌混じりに満足そうに頷いていると後ろから隆矢に抱き付かれた。

「隆君?」

どうしたの?と首だけ振り返ると隆矢は、んー?と言いながら勇菜の頭に頬を擦り寄せている。
擽ったさに首をすぼめていると隆矢は、俺の婚約者が可愛い。と呟いた。

「今日川西君にもそう言ったら自慢かって怒られたよ」

「えー?
でも、私も隆君みたいに格好良い婚約者ならたくさんの人に自慢したいかなー」

くすくす笑いながらそう言うと隆矢は頬にそっと口付けて、食事運ぶの手伝うよ。と離れた。