『ありがとう。
こんなサプライズを用意してくれてるなんて思わなかったからすごく嬉しい。
な、ユウナ』

『う、うん……嬉しい、大好き……みんな好きー……』

泣きじゃくりながら必死に話す勇菜に全員が、ユウナちゃん語彙力なくなってるー。泣かないでー!と応援する声が届くけれど、みんなが応援すれば応援するだけ勇菜は涙が止まらなくなっているようだった。

『実は個人的にユウナにはもう一つサプライズがあるんだけど』

『っ……これ以上何かあるの……?』

泣きすぎて赤くなりつつある目で見上げられ、うさぎみたいだな。と隆矢は苦笑しながら勇菜の前にリボンのついた鍵を差し出した。

『鍵……?何の?』

『俺達の家の鍵』

『俺達……?』

その言葉に観客席のほとんどの人が、えっ!?まさかついに……!?とざわつきだす。
勇菜の手を取り鍵を渡すと、勇菜は呆然としながらその鍵を見つめていた。

『残念ながらShineが頂点に立つことも、俺がまだ有名な俳優になることも出来てないから結婚の許可はもらえなかったんだ。
だけど、一緒に住むことだけはなんとか許可してもらえた』

『え……じゃあ……』

「……」

マイクを外して勇菜の耳元で勇菜にだけ聞こえるように囁くと、勇菜は顔を真っ赤にしてその場に蹲った。